エルザス(ドイツ語)、アルザス(フランス語)、アルサス(英語)


ドイツ文化のあふれるフランスの地方
ここの思い出をぼつぼつ整理しましょう。

エルザス Elsass  アルザス(フランス語 Alsace)。 フランス北東部、ライン川左岸の地方。 ここではドイツから見た歴史や文化などについて書きますので、エルザスと呼ぶことにします。 エルザスは、西はボージュ山地、東はライン川、南北をそれぞれスイス、ドイツとの 国境に接している。 ボージュ山麓には約1万haのブドウ園が広がって、ここのワインはドイツでも有名。 その歴史をひもとくと この地は紀元前1世紀ころ、ローマ人に占領され、アルサティア Alsatia と呼ばれていた。 たことに由来する。これから、アルザスあるいはエルザスと呼ばれるようになったのだろう。 古くはガリア人(ケルト人のこと)が居住し、その後ローマ人が占領し、5世紀までローマ領であった。 それからゲルマン民族のアラマン人が侵入し、496年にはフランク人がアラマン人を打ち破り、 エルザスを統治した(フランク人もアラマン人もゲルマン民族の一種)。 やがて10世紀から神聖ローマ帝国の一部となったが、ドイツを戦場とした三十年戦争 の後1648年のウェストファリア条約によって、ほとんどの土地がフランス領になった。 エルザス人はエルザス語(ドイツ語方言の一つ)を話していたが、1648年から1871年の間に しだいにフランスへの帰属意識が培われた。 しかし、1870‐71年の普仏戦争の後にドイツ領になり、第1次大戦後にまたフランス領となり、 第2次大戦中はまたドイツ領となり、戦後にフランス領に戻っている。 この100年間だけをみても、エルザス地方はドイツ、フランスと何度も国籍を変え、 ドイツとフランスからよい扱いを受けていない。 たとえば、第2次大戦中にはエルザス人はドイツ軍に編入されて ソ連軍との戦線に送られ、帰らぬ者が多かったといわれるほど不幸な歴史をもつ。 顔だけ見るとドイツ人だが、国籍はフランスでフランス語を話すエルザスの人を見ると 政治にまきこまれぬよう、密告を恐れ、フランス語で語れない内容の話をエルザス語 (ドイツ語)に切り換える知恵を、今も身につけているように思われる。 実際に私はエルザスでは、ドイツ語だけで通せた。ドイツ語で話しかけると、たいていは ドイツ語で返事をしてくれた。 フライブルクからライン川を渡って対岸の町コルマー(Colmar)に行くと、そこは昔は 同じ人種の人びとが文化圏をもって暮らしていたことがわかる。 町の郷土博物館には、昔のエルザス語の資料が展示されていて、それはまぎれもなく ドイツ語である。 コルマーには、かつて修道院であったウンターリンデン博物館に 有名なグリューネワルトの「イーゼンハイムの祭壇画」がある。 これを見に行ったものだった。 この博物館の宗教画やキリスト教関係の彫刻は、フライブルクにあるものと同じだった。 あのアルベルト・シュヴァイツァーが子どものとき、コルマーの町の広場で見た 黒人の彫刻。日本のシュヴァイツァーの伝記の本には必ず写真が載っているのだが この彫刻は今はない。 子どものシュヴァイツァーがこの悲しげな黒人像を見て、大きくなったらアフリカに行って 現地の人びとを助けてやろうと決心した広場。 この黒人像は、この町の出身のフランスの将軍を讃えるため、やはりこの町の出身の彫刻家 バルトルディ (Bartholdi)に作らせたものである。 たぶん多くの日本人が訪ねていって、シュヴァイツァーのことを聞いたり、黒人の彫刻を 見たりするので、フランスの植民地のことにふれたくなかった現地の人が 考えた末に撤去したのであろうか。 ものの本によると、フランス人はシュヴァイツァーを肯定的に評価しないそうである。 ドイツ人はシュヴァイツァーを高く評価しノーベル賞を受けたドイツ人の中に加えている。 シュヴァイツァー自身はフランスとドイツの大学で学び、両方の言葉ができるが、 思索活動をするときは、ドイツ語でものを考えると自伝に書いてあった。 フライブルクの住人がコルマーで働いているケースがあり、 通勤のバスがあると聞いたが、フライブルクにいるときはドイツ語も上手でなく、 乗り場とかバスの発車時刻がとうとうわからなかった。 しかたがないから列車でシュトラスブルク経由でコルマーに行ったものだった。 現地に詳しいなつさんによると 昔はHBFの前の大きなバス停から出ていたのだが、 今はBreisachまで電車で15分位行ってそこで待っているバスに乗って20分位でコルマー に行けるという。このバスは1日に5本位しかないので、時間には要注意である。

以下の写真は1981.10のスライド写真なので、あまりよく写っていません。 一部は本とか当時のパンフレットから撮りました。

コルマーの駅    コルマーの駅    ウンターリンデン博物館   たぶんこれもウンターリンデン博物館

コルマーの町    コルマーの町    バルトルディ博物館    地図(バルトルディ博物館は郷土博物館の2階)

エルザスの地図   コルマーの絵葉書   コルマーの絵葉書   コルマーの絵葉書   コルマーの町(ドイツのミッヒェルシュタットに似ている)   コルマーの町

シュトラスブルク   大聖堂   大聖堂   大聖堂   大聖堂   写真   写真   写真   写真